かぐや様は告らせたい(28)

かぐや様は告らせたい」最終巻となる28巻を読んだ。メインのストーリー、四宮家のお家騒動は27巻でカタがついて、28巻は丸々主要キャラクターの最終回みたいな感じ。圭とかマキとか石上とかミコとか。こんなにもキャラクターごとに最終回が語られるマンガは初めてかもしれない。

圭の最終回で、初めて白銀母が出てきた。なかなか強烈なキャラクター。かなりのリアリスト。なぜ圭だけが連れていかれたのか、そして、なぜ父親と兄の元に戻ってきたのかが明かされて、理由は納得。それでも、残された兄はたまったもんじゃなかっただろうなと同情した。圭は好きなキャラクターなので、もっと出番が欲しかった。

マキと翼と渚の最終回はまさかの結末に。いや、十中八九そうなるだろうなと皆思ってただろうけど。大人だったね。3世代にわたって18歳で妊娠させるとか、なんていう家系だよ田沼家。翼を振り切って次の恋愛に向かう姿を近くで見ていなさいと言えるマキはカッコよかった。かぐやがもっと愛情持って育てられたら、こんな感じになったのかもな。恋愛が不器用なのはどちらもだけど。

ミコと石上の最終回は作中で見たような結末。あんたらもかい、っていう感じ。会長副会長の肩書きを引き継ぐだけでなく、恋愛頭脳戦まで引き継がなくても。

恋愛頭脳戦最後のテーマ、恋愛感情の回が、藤原書記の最終回とはね。その藤原にまさか春が、と思ったけど、やっぱり彼女の一番はかぐやみたい。当分は恋愛にうつつを抜かすことはないんだろうな。想像できない。みんなのヒロインと言えば聞こえはいいが。藤原ママやラーメン回では輝いてたな。

白銀元会長は秀知院を中退し、飛び級スタンフォードに進学していたのか。向こうは秋入学だから、確かにそうなる。もし、かぐやも一緒に進学していたら、同じく中退になっていたな。天才も個性の一つというのは、言い得て妙というか、世界中から天才が集まるスタンフォードで揉まれてきたから、そういった結論にたどり着けたんだろうな。

最後、かぐやが会長の卒業式をサプライズ演出したのは、昔のかぐやからは想像がつかない。こうも人は変われるんだというのが現れていてしみじみ。いいエンディングだと思う。

ただ、回収されていないエピソードが残っているのが気になるところ。せめて、最初の生徒会長選挙での大立ち回りは明かして欲しかった。てっきり、四宮家お家騒動の途中で挿入されると思っていたのに。スピンオフや映画ではなく、本編で明かして欲しかった。公式ファンブックのおまけエピソードなら、ギリ許容できる…かも。赤坂先生は然るべき形で世に出すと、インタビューで語ってたようなので、それに期待。できれば赤坂先生の作画で読ませてほしい。