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小さなチーム、大きな仕事

book

37signals のビジネス本が登場

Ruby on Rails や Basecamp を開発している 37signals の思想が詰まった一冊です。

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

  • 作者: ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン,黒沢 健二,松永 肇一,美谷 広海,祐佳 ヤング
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/01/11
  • メディア: 単行本
  • 購入: 21人 クリック: 325回
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37signals は、私が注目している会社の筆頭です。Rails を開発した技術力、その経営方針が私の理想にかなり近い。中心人物である David Heinemeier Hansson は、優れた技術者でありながら、優れた経営者でもあります。ビジネスも語れるなんて、凄過ぎる。

本書で気に入った部分を紹介

あなたに必要なものを作る

すごい製品やサービスを生み出すもっとも単純な方法は、あなたが使いたいものを作ることだ。自分の知っているものをデザインするのなら、作っているものがいいかどうかすぐに判断がつく。僕たちに必要なものを作ったまでだ。

みんなが必要としているものを調べるのは大変ですが、自分が必要としているものならすぐに分かります。自分の問題を解決するものを作って、出来がよければそれを公開する。個人や小さい会社でやるなら、そちらの方が効率的。実際に私も、自分のために Google App Engine で動く RSS アグリゲーターを作りましたし。

一線を画す

僕たちは製品をシンプルにした。多くのソフトウェアは、機能が多すぎ、ボタンが多すぎ、あいまいで、複雑すぎると考えたからだ。だから正反対のソフトウェアを作った。僕たちの作ったものがすべての人に合ってなくてもいい。残りのみんなが僕たちの製品を大好きになってくれるなら、僕たちはすすんで顧客の一部をすてる覚悟を持っている。

競合相手との差別化を図るのは非常に重要な戦略ですね。すでに強力な巨人がいる分野に、同じような機能を備えた製品を投入したところで、勝てるわけがない。競合相手と違うところに勝機を見出さないといけません。37signals の場合、「わかりやすいシンプルな製品」がそうだったというわけですね。

中途半端な製品ではなく、半分の製品

多くのものは小さくすればするほどよくなる。映画監督は、すばらしい映画を作るためによいシーンを切る。ミュージシャンは、すばらしいアルバムを作るためによい曲を取り除く。作家は、すばらしい本を作るためによい文章を削除する。

製品の機能1つ1つを吟味して、本当に役に立つ機能だけに絞ることで、製品をより洗練させる。Webサービス・パッケージ共に、開発期間はある程度限られているはず。限られた時間で「あれもこれも」と詰め込んで、製品の完成度を下げるくらいなら、「今回はここまで」と割り切って機能を削る方がいい。

競合相手以下のことしかしない

競合相手を打ち負かすには、なにごとも相手より「少なく」しかないのだ。簡単な問題を解決して、競合相手には危険で難しくて扱いにくい問題を残す。ひとつ上を行くかわりに、ひとつ下回るようにしてみよう。やりすぎるかわりに、やっていることが相手以下となるようにしてみよう。

「競合相手が新しい機能を付けたので、うちの製品にも同じ機能を追加しよう」というのはよく聞く話。先の「一線を画す」とは相反する方法です。そうやって、どんどん機能が増やして、製品を難しくしている。結果、新規ユーザーにとって、使い方を覚えるのが難しい製品になってしまう…。何のために機能を増やすんだ?新しいユーザーを獲得するためでは?もちろん、既存ユーザーの要望を反映して、ということもあるだろうけど。相手に勝ちたいなら、同じことやったところで、効果は少ないだろうに。

料理人を見習う

料理人を見習おう。彼らは料理し、料理本を書く。あなたは?あなたの「レシピ」、あなたの「料理本」とは?教える価値があり、プロモーションにもなるネタとは何だろうか?この本が僕たちの料理本だ。ではあなたのは?

自社のノウハウを公開している会社は魅力的に映ります。例えばこの業界。Web系の会社の中には、開発者ブログをもっていて、そこで技術情報を発信しているところがあります。mixiLivedoorYahoo! など。発信している情報が有用なものであればあるほど、「その会社で働きたい」と考える優秀な人材が増えるはず。私なら、情報を積極的に発信している会社で働きたい。これは、ユーザー目線ではなく、開発者目線での話ですが。

これからは小さい会社の時代

もし私が起業するとしたら、37signals のような「小さくて小回りのきく会社」を目指すだろうな。ここで言う「小さい」は悪い意味ではないですよ。37signals の場合、会社というよりチームって感じ。

ネットのおかげで、生活圏に距離があっても、一緒に働くことができるようになったと思います。TwitterSkype などでコミュニケーションでリアルタイムにコミュニケーションがとれるようになったのは大きい。

「これからは、大きな会社ではなく、小さい会社がたくさん生まれて活躍する」って、誰かが言っていました。どこかのブログかな?忘れたけれど。私も同意です。そして、そんな小さな会社を作る上で、本書のノウハウは良い手本になりそうだ。