『ぼくたちは勉強ができない(8)』を読んだ

複数のヒロインを絡ませた話が増え、新しい面白さの境地を開拓している。今回は、うるかと桐須先生という、今までなかったのが不思議な組み合わせ。桐須先生は元フィギュアスケート選手だったので、アスリート同士、馬が合いそうだとは思っていた。

そもそも、うるかは文乃や理珠と違って、才能を無駄にしようとはしていないから、2人とは前提が違うんだけどね。成幸に教育係をしてもらっているのは、推薦入試に英語が必要だからで、いわば才能を活かすために弱点を克服しようとしている。才能の味方である桐須先生が冷たく当たる理由がない。

そして、8巻のメインは学園祭。6話にもわたる長編シリーズは本作初めてだろう。学園祭のクライマックスで、成幸と結ばれる相手がついに発表!

…シルエットだけというオチだった。とはいえ「全員に触れていました」という方向で濁したわけではないのは好印象。読者にはまだ相手がわからないけど、ヒロインの誰かと結ばれるのはハッキリさせたわけだから。

本命文乃、対抗うるか、大穴桐須先生ってとこだろうか。1話から登場していて、父親エピソードを残している文乃は最有力。うるかはなんだかんだいって、成幸が一番意識している異性に思える。ホント、何度も結ばれるチャンスがあったのにもったいない。グッドルーザーになってしまいそうな予感がする。桐須先生は可能性かなり低いと思うが、物語の結末は読者の力によって変わることはありえる。人気投票1位だったし。成幸の進路は特別VIP推薦希望以外決まってないけど、教育係の経験を生かして教師になりそう。相手が桐須先生というのもアリでは。だいぶ希望が入ってしまってるな。