ランウェイで笑って(1)〜(22)

週刊少年マガジンで連載し完結した『ランウェイで笑って』は、タイトルにランウェイと入っている通り、ファッション業界が舞台。少年誌でファッションとは珍しいんじゃないだろうか。

ファッションモデルとしては低身長のヒロイン千雪が、パリコレのランウェイを歩くまでの物語。と思いきや、服作りが趣味の苦学生・育人が、その才能を見出され、パリコレに出るブランドを築き上げる物語だったとは。予想外の演出で1話目からグッと引き込まれた。

その育人。周囲にはパタンナーの才能を買われていて、挙句の果てにはライバル綾野遠からはデザイナーの才能はない、とまで言われる始末。そこから、パタンナーを極めた結果 CALACURI を生み出し、デザイナーとしても突き抜ける展開が激アツだった。自分も他の技術にあれこれ浮気せず、1つを極めるべきだな。Aphro I dite のインターンからは、トントン拍子に行きすぎ感。フィナーレにむけて、だいぶ駆け足だったような。

終盤、物語の中心が千雪になってから、オーラとか出だして、特殊能力バトルみたいに感じてしまった。モデルの凄さの表現が難しいのはわかる。オーラが実際にあるのかはわからない。現実世界を舞台にしたマンガでは、天才の表現が難しい。芸術方面では特に。少年誌向けのわかりやすさを優先したからこそのオーラだったのだろう。これが青年誌だったら、もっと細かい描写になったのかもしれない。

最後、郁人が誰と結ばれたかのかは作中で明らかにされなかった。順当に行けば千雪だろうけど、個人的には心を応援していたので、想像の余地が残されたのは救い。