Dr.STONE(1)~(26)

週刊少年ジャンプで連載していた Dr.STONE は、科学を題材にした少年マンガ。それもジャンプで。少年誌でここまで科学を主軸に置いた作品は、他にどれくらいあるだろうか。自分は初めて読んだ。

石化光線に地球が包まれて文明が滅んだ世界で、ゼロから科学文明を再び起こす物語。ホントに一歩ずつ、地道にロードマップを進めて行くところは良い意味で少年マンガらしくない。肺炎を治療するためにサルファ剤を作るまでが特にアツイ。水力発電で電気を作りだしたところなんかは目頭が熱くなった。

終盤日本を飛び出してからは、科学クラフトが駆け足になったのは仕方ない。コンピューターに、人工衛星に有人ロケット。これらを地道にやってたら100巻をゆうに超えてしまう。さすがに最初のころほど丁寧に描写できないだろう。それでも、宇宙開発の全体の雰囲気は充分掴める。ちなみに、作中時間ではロケットのトライ&エラーに何年費やしたんだろうな。

主人公の千空はこれまた良い意味で、ジャンプ漫画の主人公っぽくない。戦闘力ない。体力もない。だけど頭脳はピカイチ。第一印象は、アイシールド21の蛭魔みたいだな、って思った。大樹やクロムの方がジャンプ漫画の主人公っぽい。正義の科学者的な立ち位置だけど、超のつく効率厨。石化した仲間を救い出すために、一度砕いて運び出す発想とか、一歩間違えばマッドサイエンティストで最高だった。

Dr.STONE を読んで科学に目覚めた子どもが、結構いるんじゃないだろうか。いるといいな。勉強は、マンガやゲームで楽しく身につくなら、それが一番だ。というのは自論。小学校の図書室に全巻置いて欲しい。

あと、石化光線によって文明が一度滅んだ世界が舞台だから、Dr.STONEなのかと思っていた。または、石化光線の元凶を指しているのかと。千空の苗字は石神で、ストーンワールドに科学文明を再興した偉大な科学者ってことで、Dr.STONE。なるほど、これ以上無いタイトルだ。