はじめに
Google App Engine(以下 GAE) アプリの開発スピードを上げるために、Kay Framework を導入することにしました。
ただ、導入に思いのほか時間がかかってしまったので、手順をメモしておきます。誰かの役に立てば幸いです。
今回試した環境は次の通り。
Windows のみ。Mac は持ってないので試せません。
Python 2.5 のインストール
python.org から 2.5 系の最新版を入手して、インストールします。
インストール先は、デフォルトの C:\Python25 のままでいいです。
環境変数の PATH に、Python2.5 のインストールフォルダを追加するのを忘れずに。
Google App Engine SDK for Python をインストール
最新の SDK ダウンロードしてインストールします。
インストール先はお好みでどうぞ。
私の場合、UAC がうるさいので、今回は C:\Program Files ではなく C:\google_appengine\ にインストールしました。
Kay Framework をインストールする
Download で公開されているアーカイブを入手します。面倒でないなら、mercurial を使って最新のソースコードを入手してもいいです。
Kay は GAE のホームディレクトリにインストールします。今回の場合は C:\google_appengine\kay です。
GAE のホームディレクトリ以外だと、開発用サーバーを起動して URL にアクセスしたときに、404 Not Found になってしまうので注意。
私はいつもの癖で、C:\google_appengine\lib\kay にインストールしてしまい、この問題に躓きました。起動時にエラーにならないので、インストール場所が間違っていることに気付かず、2日ほど潰したのはいい思い出です。
プロジェクトを作成
コマンドプロンプト起動して、C:\google_appengine\ に移動し、次のコマンドを実行します。
python kay/manage.py startproject myproject
myproject フォルダが作成されるはずです。
myproject フォルダの中には、プロジェクト関連のファイルと、kay フォルダと manage.py のシンボリックリンクがあります。
アプリ作成
myproject フォルダに移動して、次のコマンドを実行します。
python manage.py startapp myapp
myapp フォルダが作成されます。
settings.py を編集
settings.py を編集して、先ほど作成したアプリケーションを登録します。
# -*- coding: utf-8 -*- """ A sample of kay settings. :Copyright: (c) 2009 Accense Technology, Inc. Takashi Matsuo <tmatsuo@candit.jp>, All rights reserved. :license: BSD, see LICENSE for more details. """ DEFAULT_TIMEZONE = 'Asia/Tokyo' DEBUG = True PROFILE = False SECRET_KEY = 'ReplaceItWithSecretString' SESSION_PREFIX = 'gaesess:' COOKIE_AGE = 1209600 # 2 weeks COOKIE_NAME = 'KAY_SESSION' ADD_APP_PREFIX_TO_KIND = True ADMINS = ( ) TEMPLATE_DIRS = ( ) USE_I18N = False DEFAULT_LANG = 'en' INSTALLED_APPS = ( 'myapp', ) APP_MOUNT_POINTS = { 'myapp' : '/', } # You can remove following settings if unnecessary. CONTEXT_PROCESSORS = ( 'kay.context_processors.request', 'kay.context_processors.url_functions', 'kay.context_processors.media_url', )
INSTALLED_APPS と APP_MOUNT_POINTS の2か所を修正。
アプリ起動
myproject フォルダ内で以下のコマンドを実行して、開発用サーバーを起動します。
python manage.py runserver
コンソールに「PIL が無い」や「Datastore が読み込めない」といった警告が出ますが、気にしなくていいです。
PIL の警告は、PIL をインストールすれば解決します。
Datastore ファイルの警告は、データストアにデータを保存すれば、ファイルが作成されて解決します。
http://localhost:8080/ にアクセスして、Hello と表示されたら成功。
GAE にデプロイ
app.yaml の application を変更したあと、次のコマンドを実行します。
python manage.py appcfg update
あとは http://[application].appspot.com/ にアクセスして、Hello と表示されたらデプロイ成功。
Kay で GAE アプリをサクサク開発できそう
アプリの実装では、Kay のオンラインドキュメントが非常に充実しているので、参考にするといいです。
認証やフォームが提供されるのは非常に助かります。使いこなせれば、開発のスピードが上がること間違いなし。