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『Yコンビネーター』読んだ

Kindle 版があったので購入してみた。 本書はそのものずばり、著者がY コンビネーターの2011年夏学期に密着取材して書いた本。 それも、やるなら徹底的にだと言わんばかりに。

例えば、応募チームをYコンビネーターが採択するかどうかを決める面接。 面接で交わされた質疑応答だけでなく、面接後のスタッフ間だけの会話まで載っていて、 当時ポール・グレアムがどう評価したのかを本人の言葉で知ることができた。 学期内に何度も行われるミーティングでの、ポール・グレアム達と応募者のやりとりでも、 その光景が容易に思い浮かぶほどの情報量で、Yコンビネーターの雰囲気が文面から伝わってきた。

MongoHQ や Parse、そして Codecademyといった、 自分が知っているスタートアップが出てきたのも嬉しい。 MongoHQ や Parse のチームは優秀で、終始順調だったみたいだ。 読んでいて正直、Y コンビネーターに応募する必要がなかったのではとさえ思った。

ドラマチックだったのは Codecademy。 なんと、投資家へのお披露目『デモ・デー』の一週間前までサービスをローンチできていなかったが、 ローンチしてから数日で急激にユーザーを集めたという、小説家でも書かないような逆転劇。 当事者たちにとって、ものすごいプレッシャーだったことは想像に難くない。

ポール・グレアムが優れたエンジニアだったから、Yコンビネーターは注目を集めたし、 優れたビジネスセンスも持ち合わせていたから、成功したんだろうな。 両方が備わっていたからこそ、シリコンバレーハッカーがアドバイスに耳を傾けるし、アドバイスを求める。 スタートアップに投資するベンチャーキャピタルはこうであって欲しいという理想像だ。

非常に面白かった。 著者の取材力もさることながら、ここまでの密着取材を許可したYコンビネーターの懐の広さも素晴らしい。 起業を目指す人は読んで損は無い。 むしろ「○○市を日本のシリコンバレーに」なんて考えている人にこそ読んで欲しい。 Yコンビネーターみたいなベンチャーキャピタル、 いや、ポール・グレアムみたいな存在が必要だと思うはず。

Yコンビネーター

Yコンビネーター