「ユーとアイはトゥモローにトラヴェルする」というルー語の帯が強烈で、つい買ってしまった。
「話すように書け」や「感動する文章を書け」といった主張の文章術本はたくさん存在するが、本書はそれらに挑戦状を突きつけている。本書が紹介するのは、感動ではなく主張を読者に伝えるための、実用的な文章の書き方だ。
本書の中でも特に強い印象を受けたのは、「書くとは引用」ということ。実用的な文章において、独創は必要なく、使い古された云い回しを上手に使いこなせばいい。主張を読み手に伝えることが第一なので、感動する文章である必要がない。極端な話、定型文を切り貼りすればいいというのは目からうろこ。文章の種類別に、自分なりのテンプレートを用意しておくといいかもしれない。
本書では、心得に始まり、語順や修飾語や句読点など、かなり細いところまで説明している。さらに、巻末には約70ページわたって定型表現サンプルを掲載。記事を書くときは、本書を読みながら推敲するのがお勧め。
- 作者: 野内良三
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/05/25
- メディア: 新書
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