もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

はじめに

マネジメントには前から興味があったけど、書店に置いてあるのは難しそうな本ばかり。そんな中、これならまったく知識のない自分でも読めるかもと思って購入したのが本書。

予想通りスラスラ読めた

さながらライトノベル感覚。ドラッカーのマネジメントに書かれてることを野球部で実践して、甲子園を目指すというストーリー。架空とはいえ、実践例があるのはうれしい。

本書で気になった点をちょっと紹介

仕事には「働きがい」が必要

働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのためには、(1)生産的な仕事、(2)フィードバック情報、(3)継続学習が不可欠である。

野球部では部員を3チームにわけ、チームどうしを競わせることで、上記を実現していた。成長に競争は必要不可欠。それは社会に出ても同じ。でも、社内にライバルがいるという環境はめったに無いよね。もし、健全な競争が社内にあるなら、それって恵まれているだろうな。もし無いなら巻き起こせばいい。とりあえず、自分はもくろみ中。

イノベーションの戦略

イノベーション戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。イノベーションを行う組織は、昨日を守るために時間と資源を使わない。昨日を捨ててこそ、資源、特に人材という貴重な資源を新しいもののために解放できる。

組織が大きくなると、小回りが利かなくなる。新しいことに挑戦しにくくなる。そして、時代の移り変わりに乗り遅れてしまい、ベンチャーに足元をすくわれてしまう。これは仕方ないんだろう。でも世の中にはイノベーションを行い続ける巨大な組織だってある。あのGoogleGoogle が次から次へとイノベーションを行い続けられるのは、20%ルールの効果。

努力よりも成果が重要

成果よりも努力が重要であり、職人的な技能それ自体が目的であるかのごとき錯角を生んではならない。仕事のためではなく成果のために働き、贅肉ではなく力をつけ、過去ではなく未来のために働く能力と意欲を生み出さなければならない。

…耳が痛い。新しい技術に次から次へと手を出し、試して満足していることが自分は多いな。技術は手段であって目的じゃないのに、たびたび手段と目的が入れ替わってしまう。反省。目的から逆算して、最適な手段を選択するべきだと再認識した。でも、面白そうなオモチャがどんどん出るんだもの。

ドラッカー版マネジメントを読みたくなった

本書を読み終えて、そう思えた。興味はあるけどなかなか手を出せずにいる人を引き込むのに、本書みたいなライトノベルっぽい本は打ってつけじゃないだろうか。