『SQL アンチパターン』を読んだ

本書は SQLアンチパターンを集めた、いわば『べからず集』。 良いパターンを集めた技術書はよく見かけるけど、 悪いパターンを集めたものは珍しい。

ただ、本書で扱っているアンチパターン自体は珍しいものではない。 データベースを使うアプリケーションを開発したことがあるエンジニアは、 本書が紹介するアンチパターンのどれかに陥った経験はあるんじゃないだろうか。

自分の場合は、擬似キーの ID の空き番号を再利用してしまい、 『シュードキー・ニートフリーク(疑似キー潔癖症)』 を患ったことがある。

また、Rails を使っていた名残でつい、 交差テーブルを含むすべてのテーブルに ID 列を追加してしまい、 『IDリクワイアド(とりあえずID)』も患ってしまっている。 こちらは現在進行形なのだけれど。

本書は、アンチパターンの紹介だけで終わらずに、 ちゃんと解決策も紹介している点が素晴らしい。 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というわけではないが、 まだ陥ったことのないアンチパターンとその解決法を知っておくことで、 未然に防げる可能性が高まる。

ある程度経験を積んだエンジニアが読むと 「このアンチパターンやったことあるあるw」となって面白い。 駆け出しの新人にだってお勧め。 むしろ必読。 本書のようにアンチパターンを集めた書籍が、 他の言語でも出てきたら面白いだろうな。

SQLアンチパターン

SQLアンチパターン